何でも屋13: ひかりと影

ひさしぶりに何でも屋に帰ってきたひかりちゃん。でも、なんだか様子がおかしいのです.

突然の依頼

ひかり: 今日の仕事はきつかったあ。洞窟のお仕事はいつも大変だから嫌になっちゃう
ひかりはぶつぶつ言いながら転送機を出て街に向かった。
ひかり: そういえば、最近みんなはどうしてるかな。何でも屋の方に顔出してなかったなぁ。ちょっと行ってみようかな


その頃、何でも屋の店内ではいつものメンバーがいつものように座っていた。
ゼロ: ふぁぁ。アスタシアさーん、暇だよー
アスタシア: ごめんなさい。このところ不景気なのよね
ゼロ: はぁ、大変ですねぇ
ゼロは思わずため息をついた。
アスタシア: このままでウチは本当に大丈夫なのかしら
ゼロ: ストライクさんも無事退院できたみたいだし。まぁ、暇でいいかも
アスタシア: ストライクさん、ごめんなさいね。仕事なくて.
その時、店の扉が開いた。上に取り付けてある鈴がカランコロンと音を立てた. アスタシアとゼロが同時にいらっしゃいませと声をかけた。
ひかり: ひかりだよお
アスタシア: なんだ、ひかりちゃんかぁ
ゼロ: 何にしますかぁ。これなんかいいかと思うんですけどー
わざと客の応待を装うゼロを見てひかりは笑った。
ひかり: 最近はなつめちゃんに店番任せきりで、これなくてゴメンね、元締めぇ.
アスタシア: 残念ながら今日はお仕事ありません。ひかりちゃんもお仕事忙しいんでしょ?
ひかり: えへへ。なんか、ひかりの上司の司令さんから色々お仕事回ってくるんだよお
ゼロ: おお〜〜、ハンターだもんねぇ、ひかりちゃん
ストライク: 景気がいいな
ひかりは一歩奥に入って、店内を見渡した。
ひかり: そうそう、今日はここは誰がいるのかな?
アスタシア: 見た通りです
ひかり: 元締めとゼロさん、ストライクさんもいるんだねぇ

ストライク: 暇だな……
ストライクがそう言うと、ひかりは突然ストライクの方を向いた。
ひかり: そっか、暇ならちょうど良かったよ。あのね、あのね
アスタシア: 何かあるの?
ひかり: 何でも屋にぜひ頼みたい事があるって依頼をもらってきたんだよ
アスタシア: あらら、お仕事持ってきて下さったの?
ひかり: えっと、ラグオルの森で待ってるって
アスタシア: ついにひかりちゃんからもお仕事を融通してもらうことになるとはねぇ
ひかり: どうしても何でも屋、特にストライクさんに来て欲しいって話だったから
アスタシア: 名指しなの!?
ストライク: 俺に……?
ストライクは不思議そうな顔をした。
ひかり: うんうん。ストライクさんは絶対連れてきてって言われてるんだよ
ゼロ: なんでだろ?
ストライクはしばらく考え込んでいたが、やがて言った。
ストライク: わかった……
ひかり: うん、じゃあ、ひかりがその人の所まで案内するね。じゃ、その相手に連絡するから
ひかりはポケットから携帯電話を取り出し、ダイヤルしながらメンバーからの質問に答えた。
アスタシア: ところで、どんな依頼なの?
ひかり: えっと、とにかく何でも屋の人達に依頼があるって。もう、そうとう急いでいたみたいだったんだよ。何でも屋じゃないと困るって
ストライクが急に厳しい目つきに変わった。
アスタシア: え?何でも屋も名指しなの?ストライクさんならともかく、ウチの店がそんなに有名だったかなぁ
ひかり: 有名になったねえ
アスタシア: 有名ならもっと仕事あって良さそうなのに

ひかりは携帯電話に向かって何やら話しかけると、しばらくして電話をしまった。
ひかり: うんうん、了解してもらえたよ
アスタシア: あ、大丈夫だって?
ひかり: よし、じゃあラグオルの森まですぐ来て欲しいって。ひかりが案内するから
アスタシア: わかりました。行きましょう。皆さん
ゼロとストライクも返事をすると、ひかりは先頭を切って店を飛び出していった。
ひかり: じゃ、いくね。みんな森に来てね

ゼロ: なにがあるんだろう。楽できればいいんだけどなぁ
残りの3人がのそのそと出ていこうとした時、ストライクは背後からアスタシアに小声で呼びかけた。
ストライク: アス……気をつけろよ……
アスタシア: え、ええ、わかってるわよ

そして、3人も揃ってラグオルの森へ降りた。