何でも屋11: ひかりちゃん合格おめでとう

ひかりちゃんの追試は無事合格でした.これで無事に明るいパーティーができますね.あまり羽目を外さないで下さいよ.

第一次タルト戦争

ひかり: おねえさん, 苺タルト追加〜
ひかりさんがまたカウンターに注文に来ました. よっぽど苺タルトが好きなんですね.
アスタシア: あ, わたしも〜〜 タルト〜
私は二人にまた苺タルトをお出ししました. ひかりさんは席に戻る暇も惜しいらしく, カウンターの前でさっそく食べ始めました.
なつめ: あたしにもタルトちょーだい!!
ゼロ: 私にも〜〜〜〜
ゼロさんもカウンターにやってきました. 前に陣どっている二人の間に強引に入ってきました.
ひかり: うんうん. タルト, おいしいよ……あ, ゼロさんになつめちゃん, 苺のタルトはひかり専用だよ
ゼロ: ええ〜〜, ずるいよ〜〜. いちご〜〜, ほしい〜〜
アスタシア: まあまあ, 喧嘩しないで. 独り占めはよくないわ
なつめ: 独禁法にひっかかるよ
ゼロ: こうなったら実力行使だぁ
ゼロさんはひかりさんが手にしているタルトをもぎ取ると, 口の中に一気に放り込みました.
ゼロ: おいしい〜〜
なつめさんは先にお出しした抹茶タルトを手に, 遠くからやりとりを眺めていました.
なつめ: あのおねえちゃんたちどう思う?
ジーニ: にゅう……子供……

しかし, ひかりさんは喧嘩する風でもなく, やさしく言いました.
ひかり: ま, いいや, ゼロさんには一個あげるよ. おいしいでしょ
ゼロ: 苺の味が口いっぱいに広がる〜〜
あらあら, ほんと, カップルはこれだから……

アスタシアさんは, タルトを右手に, ビールジョッキを左手に持って食べながらちびちびやっていました.
アスタシア: でもビールには合わないなぁ……
アスタシアさん. それは当たり前です.


アスタシア: またまたぁ, そんなに端っこが好きなの?
なつめさんとジーニちゃんが話している所にアスタシアさんが近寄って来ました.
なつめ: あの緑のおねえさんは? どう思う?
ジーニ: やさしい人……
アスタシア: うんうん, よろしい
なつめ: あたしは?
なつめさんはそう聞きながら, やさしそうな顔を作りながらも, 変なことを言ったら承知しないといいたげな厳しい目つきをしていました.
ジーニ: げんきな人……
なつめ: うむ, よろしい!! 元締め, この娘は出世しますぜ
アスタシア: うんうん. そう思う
なつめ: ぜひうちの養子に
困惑した表情のジーニちゃんを後目に二人でひとしきり笑った後, アスタシアさんはジーニちゃんの空になったコップに目をつけました.
アスタシア: ほら, ジーニちゃん, ぶどうジュース飲む?
と言いつつ, 手にはワインの瓶が. とくとくとく, といい音をさせてコップにワインが注がれます. それをジーニちゃんは一気に飲み干してしまいました.
ジーニ: おいしい……
ちょっとちょっと, いいんですか? ホントに?
アスタシア: あー, ジーニちゃん, あんまり勢いよく飲まないで
ジーニ: うにゅ? これ……ジュースだよね
ジーニちゃんは少しも酔った様子はありませんでした.
アスタシア: なんて子かしら……
アスタシアさんも対処に困っていました. 変ないたずらするからですよ.
アスタシア: 今度はオレンジジュースにしましょうね
ジーニ: うん
アスタシアさん自らオレンジジュースをコップに注いでいました. しかし,ジーニちゃんは少し不満げでした.
ジーニ: うにゅ……さっきのぶどうジュースがいい
アスタシア: むむー, すごい子だわ

アスタシアさんがワインを注ぐのをためらっていると, ジーニちゃんは自ら瓶を手に取りました.
ジーニ: うにゅ……これ……お兄ちゃんの部屋にある