何でも屋1: 機械の修理

アスタシアが始めた「何でも屋」さんに初めての依頼が舞い込みました。とんでもない依頼でないといいのですが……

暗い影

ひかり: なにこれ〜、ここ〜
アスタシア: え?なになに?
ひかり: なんか落ちてるよお
ひかりがまた声を上げた。近づいてみると、不時着した小型飛行バイクだった。
アスタシア: あらら、ひどく壊れてるわね
ストライク: ああ……爆発した時の破片だろう
ひかり: ドームの?ここまで飛ぶんだ、ふうん
ひかりは改めてその壊れた機械をしげしげと眺めた。
アスタシア: じゃあ、やっぱり結構な衝撃だったんだ
ストライク: そのようだな……
アスタシア: このへんの機械類はダメになってるかもね
ひかり: ドームもぐちゃぐちゃかなあ
ストライク: さあな……
アスタシア: あまりひどくないといいんですけど
ゼロ: 行ってみるしかないですね


動物避けの柵を乗り越えると、そこは今までと同様に野生の世界だ。ただし、今までの森と違うのは動物がより凶暴になっていること。調査段階とはいえ、パイオニア2の人の手がより多く入っている森の入口はまだ楽なのだ。
ひかり: ひかりちゃん大ピンチ〜〜〜〜〜
ゼロ: ピンチなの?そうは見えないけど
ひかり: だってえ、こわいんだも〜ん。でも、がんばってみるよ
ゼロ: 楽しそうだけど
ひかり: そっかなあ。あはは
ゼロ: うん
ひかりとゼロは顔を見合わせて笑っていた。
アスタシア: こういう場所で楽しいってことは将来性あるかもね
ひかり: えっへん、ひかりちゃん えらーい

ひかりは胸を張って歩き始めた。すると、遠くの方に巨大な建物が見えてきた。
ひかり: うわあ、ドームってあんなにでかいんだねえ


一行は森の奥で奇妙なものを発見した。
ストライク: これは……?
アスタシア: なに?今度は?
それは、高さ5〜6mの円筒形の物体だった。赤いマークが3方向についており、オレンジ色に光っていた。
アスタシア: なに?これ?
ストライク: 機械……なのか?
アスタシア: なんだか知らないけど、動いてるみたいね
ゼロ: すごいエネルギーを感じる。なにかを封印してあったみたいだね、これは
ひかり: 気持ち悪い……なんか、やな感じがするう
ひかりは身震いをした。
ひかり: ひかりは嫌いだよお…

ゼロはこの物体の周囲を何回も回りながら、時には同じ所をじーっと見つめながら、さかんにメモを取っていた。そしてひかりはというと、駆け出していってしまった。遠い所で一人ぽつんとこちらを眺めていた。
アスタシア: これなんなの?
ストライク: 文字のようだが……
ストライクは表面の模様を指でなぞった。
ゼロ: 実に興味深いなあ……文字はさすがに読めないや
アスタシア: 読めない文字……誰がこんな落書きを……
ストライク: 落書きではないな。古代文字……といった所か

アスタシアはちらっと横を見て、ひかりがいないのに気がついた。
アスタシア: あれ?ひかりさんは?
そして、彼女の姿を遠くに認めた。アスタシアがひかりの所まで駆け寄ると、ぶるぶる震えているひかりが目にとまった。
アスタシア: どうしたの?こんなとこで……
ひかり: なんでもないよ
アスタシア: そう?それならいいんだけど……
ひかり: なんか、恐いの
アスタシア: 恐い?あのゴーッて音が?
ひかり: 音もだし……なんか全部嫌なの……
アスタシア: うーん、なんだかよくわからないわ
アスタシアは心配そうな顔で、ゼロとストライクの様子を見るために戻っていった。

その頃、ゼロはあい変わらず物体を熱心に調べていた。
ゼロ: エネルギーがどこかある場所に向かっている……なるほどね。ふむふむ
すると突然ストライクが振り向いた。
ストライク: 誰かに見られていたような……
ゼロも調査の手を止めた。
ゼロ: えっ?気のせいじゃない?僕はぜんぜん感じなかったよ

アスタシアがのぞいてみると、ゼロはまだ物体の表面にかじりつくようにして何かの作業をしていた。そして、それをストライクがじっと見ていた。
アスタシア: 大丈夫?なにかわかった?
ストライク: 何もわからん……
アスタシア: あら…
ゼロ: ふふ〜ん
調査をしていたゼロも機嫌よく出てきた。その時、遠くからひかりの声がした。
ひかり: 早く先に行こう、ひかりはこれやだぁ
その声で、3人は奇妙なその物体を離れてひかるの元に向かった。
ゼロ: おもしろかったのに…
ゼロは後ろを何度も振り返りしながらその場所を後にした。

アスタシアは歩きながら状況を把握しようと努めていた。
アスタシア: じゃ、「何かよくわからないけど動いてました」って報告するしかないの?
ストライク: そういう事になるな
ゼロ: うっ、うん、そのほうがいいね
アスタシア: しょうがないか……
ストライク: 見た所機械ではないな……報告することもあるまい

そこに、名残り惜しそうに後ろを歩いていたゼロが追い付いた。
ゼロ: すっごい、興味深いよ、あれは
ひかり: ひかりは恐いよ
ゼロ: もう少し調べてみたかったなあ
アスタシアはそんな二人を見比べていた。にこにこしているゼロと、まだ震えが止まらないひかり。
アスタシア: なんなのよ、この差は。へんなの
ひかり: なんでこんなに恐いのかなあ
ゼロ: 僕は逆にわくわくした
ひかり: 今夜、恐い夢見ないといいけど
アスタシアはゼロをまじまじと見つめた。
アスタシア: ゼロさんって、意外なとこに興味あるのね
ストライク: 研究者肌なのだろう