何でも屋1: 機械の修理

アスタシアが始めた「何でも屋」さんに初めての依頼が舞い込みました。とんでもない依頼でないといいのですが……

戦闘と仕事

道の途中に設置された扉を開ける(というより、ひとりでに開いたと言うべきか)と、そこにはまたブーマがいた。
ひかり: あー、また熊がいるよ
アスタシア: ほら、がんばって!
ひかり: じゃ、戦ってくる〜
そう言ってひかりは駆け出した。その前には既に剣をふるうストライクがいた。

ひかり: ラグオルのやまとなでしこをなめるなよー
ひかりはそう言って目の前のブーマに槍を突きつけた。ブーマは一突きで倒れた。
ひかり: えっへん! ひかりちゃん えらーい
アスタシア: ほらほら、油断しない!
群がるブーマを退治するのに、そう時間はかからなかった。

アスタシアは、ブーマがいなくなったのを見定めると、ほっと一息ついた。
アスタシア: よーし
ゼロ: はふぅ
ストライクは、満足そうにうなずいているアスタシアの前につかつかと歩み寄った。
ストライク: お前も戦え……
アスタシア: わたし?
ストライク: ああ……
アスタシア: 大丈夫そうじゃない
ストライク: まあいい……
ストライクはそう言うと、崖の脇に設置されているレーザーフェンス制御装置をいじり始めた。
アスタシア: ほら、わたしは応援係だし
アスタシアは慌てて付け加えた。
ひかり: じゃ、ひかりは給食係がいいなあ
ゼロ: なんだよそれ〜
ひかり: じゃ、お弁当係にする〜
アスタシア: わかったわ。じゃ、今度から食事お願いね
ゼロ: ひかりちゃん、料理できるの?
ひかり: うーん、食べても死なない物ならつくれるよ
ストライク: ……
沈黙の一時が流れた。
アスタシア: 食べると死ぬ物を作れる方が便利だったりして
また沈黙の一時が流れた。
ひかり: それは練習しないと無理かなあ
ゼロ: こわい……
ゼロは冷汗をたらした。
ひかり: じゃ、練習しておくね
ストライク: 練習するな……
ひかり: えー、そうなのお?
ゼロ: 僕ぜーったい食べないからね!


アスタシア: これ何だろう?これもなにかの機械かなあ?
アスタシアはふと足を止めた。そこには、細い鉄の柱の上に円盤状の物体が乗っている、奇妙なものだった。
ストライク: オブジェ……か?
ひかり: これって、水を撒く機械じゃないかな。なんか栽培してた
ゼロ: へえ、そうなんだあ
アスタシア: そうなの?ストライクさん?
ストライク: さあな……
アスタシア: じゃ、水が出てないってことは故障?
ひかり: もう使ってないのかなあ
ストライクは剣の先で円盤状の所をこんこんと叩いた。
ストライク: 駄目みたいだな……
ひかり: そっかあ、じゃ、故障の報告しないとね
アスタシア: 一応メモしておこうっと

メモが終わると、一行は向こう側の扉に向かった。
アスタシア: さあてと、お次は?


ひかり: げげげ〜
扉を抜けると、毒々しい紫色をした袋が向こうに見えた。モスマントの巣だ。
アスタシア: あー、いやなやつ
ひかり: えー、虫やだあ
ゼロ: なんだこれ〜
袋の中からは大きな虫が出てきた。空中を素早く飛び回り、剣ではなかなかやっかいな存在だ。幸い、袋を素早く叩き潰したおかげで、虫はほとんど外に出すことなく退治できた。

ゼロ: あっ、ひかるちゃんの後ろに虫〜
ゼロはひかるの背中を見ながらくすくす笑っていた。
ひかり: え?どれどれ?はやくとってえ
ゼロ: まっててね
早くも泣き顔になっているひかるの後にゼロはそっと近づくと、素速く虫をつまんで投げ捨てた。
ゼロ: はいとれたよ
ひかり: わああい、ありがと
ゼロはにこっと微笑んだ。その間にもストライクはあたりの機械を黙々とチェックしていた。
ストライク: 異常無しだ
アスタシア: あら?もう見てきてくださったの?ありがと
ストライク: ああ……


ひかりは元気な声でアスタシアを呼んだ。
ひかり: 元締め〜
アスタシア: なに?ひかりさん?
アスタシアは振り返った。
ひかり: お仕事、進行度、どれくらいかなあ
アスタシア: さあ、セントラルドームの中まで、って話だったけど、そこまでに何がいくつあるかはわからないって。
ゼロ: なかなか、難しいね
ひかり: いい加減〜
ひかりはがっくりと肩を落とした。
アスタシア: 少なくとも教えてくれなかったわ。どういうつもりかしらね。
ひかり: リストとかないんだあ
アスタシア: ないはずないと思うんだけどなあ……
ひかり: うんうん、まいいや。早くお仕事こなそ
そう言うと、ひかりは道に沿って歩き始めた。
ゼロ: おう
ひかり: 頑張っていこー
アスタシア: その意気

一行は次の扉まで歩いていった。