そのころ他の二人は何をしていたのか
――そのころナリさんとヴァリシスさんの二人はどうなさってましたか？
ナリ: ああ、その……
ヴァリシス: 二人でゴーゴー! ですよ。ふふふ。
ナリ: ヴァル、こっちだ
ヴァリシス: ナリさんと一緒だから寂しくないもん!
ヴァリシス: 敵がいっぱいでたーいへんでしたけど、頑張って二人で倒したですよ。ナリさん、また倒れたですけどね。
ナリ: そ、それを言うな
ナリ: しまった!
(ヴァル、すかさずムーンアトマイザーを使ってくれたんだ)ナリ: すまない、ヴァル。情けないな。
ヴァリシス: 何言ってるですか。二人だから協力していくです
ナリ: いや……ああ、ありがとう
ナリ: で、どっちにいく？
ヴァリシス: 目の前! 前進あるのみです
ナリ: OK
――さっきのお二人とは違ってずいぶん軽いですね。
ヴァリシス: はい。モンスターが強かったから、もうおしゃべりなんて暇なかったですよ。
ナリ: そのおかげでだいぶ早く着いちまったがな。
ナリ: 今のは少し危なかったな
ヴァリシス: ふう、まだですかね？デ=ロル=レ……。あたし疲れちゃった。
ナリ: もう少しだろう……ほら、な。
(扉を開けるとそこはすぐ例の大きなゲートだった。カンって当たるもんだな)ナリ: さ、あいつらを待つか
ヴァリシス: 呼んできます!
ナリ: どこに？
ヴァリシス: どこ？さぁ…
ナリ: お前、考えるより行動、ってタイプだな
ヴァリシス: あたし、何かしなきゃ! って思うと、他のことはすぱぁーっと忘れちゃうんです。(笑)
――それで、二人はぼーっと待ってたんですか
ナリ: そうだな。そういうことになるな。
ナリ: どうせ、もうすぐ来るだろう？
ヴァリシス: 待つ方がいいでしょうか。
ナリ: 来ないとでも思ってるのか？
ヴァリシス: あのお二人さん、気は合うようですから
ナリ: そうだな
ヴァリシス: いいなぁ。あの二人みたいになれたらなぁ…。でもエルフィナさんの役は勘弁。
ナリ: なれないと、思ってるのか？
ヴァリシス: なれるですか？
ナリ: さあ、ね
ヴァリシス: さあ？
ナリ: だが……パシャッ。前言は撤回だ。いい絵だぜ。ヴァル。
ヴァリシス: あ、ありがとです。あたし自身忘れてたのに
――……写真撮ってたんですか
ナリ: あ、ああ。暇だったからな。
ヴァリシス: 自分でさえ忘れてたこと、ちゃあんと覚えてくれてたんですよ。とぉってもうれしいです。
――キャストなんですから、クロックを落とすとかスリープモードに移行するとか、楽に待つ手段ならいくらでもあったでしょうに。
ヴァリシス: だって……。もったいないです。せっかくの時間が……。
ナリ: 遅いな
ヴァリシス: 遅いですね
ナリ: やつら、何やってるんだ？
ヴァリシス: ま、お二人のことですからゆっくりやってるんでしょう
ナリ: ま、無事は間違いないだろうしな。エルフィナに勝てる奴がいたらお目にかかりたいぜ
ヴァリシス: ストライクさんも凄腕なんですよ
ナリ: へえ。ま、俺が一番弱いのはいつものことだが、な
ヴァリシス: 弱いなんて
ナリ: ……冗談だ
ヴァリシス: キャストの価値は戦闘能力だけじゃないですよ
ナリ: 戦闘能力だけしかなかったら生き残れないさ。どんな世界でも。
ヴァリシス: そうですね
ヴァリシス: 二人、まだかなぁ。
ヴァリシス: でもずっとこうしていたいかも
ナリ: …なんだって？
ヴァリシス: お二人、まだかなぁ、って
ナリ: ……ああ、そう言ったのか
ヴァリシス: そうですよ
ナリ: まずいな、予備のボディは聴覚がおかしいか？
ヴァリシス: ふふふ。気のせいですよ。
ナリ: そうか、それは残念だ。
ヴァリシス: ありもしないことが聞こえるなんて、自分の願望だったりして…ふふふ
ナリ: ……そうかもな、ふふ
――あ、え、えーと、そうですねぇ……
ストライク: (肩をポンと叩いて)無理にコメントしようとしなくていいぞ