インタビュー:地下洞窟で何が起こったか

本インタビューは、パイオニア2民事法廷第11032号に関して、事実関係を明らかにするために行われた。インタビュー自体は、パイオニア2の某喫茶店で和やかに行われた。(編注:この法廷は、後に原告が訴えを取り下げたことにより、実際には開廷されなかった。)

なぜ論争になったか

――色々と大変なこと続きでしたね。でもようやくこれでまた4人揃ったんですね。
ストライク: ああ、でも揃った後でもまだ色々あったがな。
――まだ何かあったんですか?
ストライク: いや、今度はトラップなどではなかったが……

ヴァリシス: ナリさん、なんかちょっと違う
(ヴァリシスは一人で迷子になっていたから、ナリの事情はこの時は知らなかった)
ナリ: ああ、予備のボディだからな。さっきの奴は死んだよ。
エルフィナ: 便利ですわね
ヴァリシス: 死んだ!?
ナリ: そんな大声だすな
ヴァリシス: ごめんなさい
ナリ: 記憶はちゃんと持ってるさ
ヴァリシス: で、でも…
エルフィナ: はい、遺影、よくとれてますわ。でも、本体が健在ですと、お葬式はできませんわ。ついでにいっちゃいません?うふふ。
ナリ: 別に葬式あげてもらおうとは思わんよ
ヴァリシス: お葬式なんて、そんな縁起の悪いこと言わないでくださいです!
エルフィナ: 死は平等ですわ。すべてのものに平等を与えるのが神の役目でもあり、わたくしの役目でもあります……
ナリ: キャストに神がいるとすれば、そいつはヒトだろうが。
エルフィナ: 人は神にはなれません
ナリ: あいにくと平等なんてもらった覚えはないね
エルフィナ: そのうちあなたにもお与えになるでしょう。案ずることはございません。
ナリ: それはそれは。楽しみに待つとしよう。
エルフィナ: 神がその力で死を与えてくださいます
ナリ: まあ、神なんてどうでもいいのさ。俺は、写真を撮って行きてられりゃ満足だよ。
ストライク: 神は存在しない……
エルフィナ: いますわぁ、その神様はすぐ……近くに……。
ナリ: どうした?ヴァル?
ヴァリシス: どうって?どうしました?
ナリ: さっきから黙りこくってないか?
ヴァリシス: あたし、死ぬとか神様とか苦手で……。楽しく行きていければそれでいいじゃないですか
ストライク: そうだな……
ナリ: イエス、その通りだ、ヴァル
エルフィナ: 考えないことは罪ではありません
ナリ: セ・ラヴィ。それが人生。楽しく生きようじゃないか?ヴァル。
ヴァリシス: そうですよ。たった一度の人生ですから。
エルフィナ: 終末は一つ……
ストライク: 全ては永遠ではない……
エルフィナ: 神は永遠ですわ
ストライク: ……永遠はあってはならない
エルフィナ: そう、永遠は罪。罪だからこそ神はあえてそれを被るのです。
ストライク: 神であってもだ……

ナリ: お前達、反目してるのか気が合ってるのかよくわからないな……
ヴァリシス: 意見は違っても気はあってるですよ
エルフィナ: うふふ、そのうち彼もわかります
ストライク: ……そんなことはない
――えーと……。そんな話してたんですか。
ストライク: まだまだ続くがな
――まだ続くんですか!
ストライク: ああ、今度は二人だけでな。
――どういうことですか?
ストライク: 途中でまたトラップ柵があって、今度は俺とエルフィナの2人が分断されちまったんだ。
ヴァリシス: 二人が通ったとたん、急に柵に閉じちゃったです。
ストライク: 仕方なく二人で進んだんだが……。雑魚ばかりで戦闘は大したことなかったんだがな。

エルフィナ: なぜ永遠は禁忌だと思います?
ストライク: さあな……
エルフィナ: 理屈じゃないってことね
ストライク: ああ…
エルフィナ: ならば、あなたこそ神を知るべきですわ……。神は絶対無欠でありながら完全矛盾の存在……
ストライク: 神は何ももたらさない……何もしない……何も助けない……
エルフィナ: それは必要がないからですわ
ストライク: どうしてだ……
エルフィナ: それに…わたくしたちの神は違います。授けてくれますわ……死と破壊……平等を……それが我らが主神、ダークファルス……
ストライク: …………ダークファルスか。
エルフィナ: ええ……そうですわ

――ダークファルス、ですか。私は初めて聞く名前です。
エルフィナ: それが私達の神の名前です。
ストライク: そいつを信じるのはやめとくんだな
エルフィナ: ストライクさんも何かあったんでしょう?無理をしなくてもいいんですよ。

ストライク: どうしてあのとき…………くそ!
エルフィナ: 救えなかったのですね。あなたが大切な物を…
ストライク: …ああ
エルフィナ: 心配はいりません……この世界はもうすぐ浄化されます。
ストライク: ……破滅……か
エルフィナ: 全ては無に……それが救いなのですよ。あなたにとってもね……
ストライク: 破滅は何をもたらす……?
エルフィナ: なにも生みません……しかし、それが真理。必要なものなど……なにもないのですよ?
ストライク: ……
エルフィナ: 神にはあなたのような……人間のような弱さはありませんわ
ストライク: ……弱い……か……そうかもな。だが……俺は何かに縛られような生き方はしたくない
エルフィナ: 縛られてます。あなたは……。過去の呪縛にね。うふふ
ストライク: ……俺は……人を殺した事がある……
エルフィナ: 何人?
ストライク: 数えてはいない……だが……今でも……その死に顔は忘れられん……お前の信じる神は気にしないのだったな
エルフィナ: うふふ、弱い……本当に弱いですわ……
ストライク: 人を殺そうが……な

――つらい思い出ですね
ストライク: ああ……