湯けむり紀行・美女が行く洞窟秘湯めぐり

ラグオルの洞窟のどこかに、こんこんと沸き出る温泉があるらしい。なんでも、特に美肌に効果があるとか。そんな話を聞きつけてじっとしていられない美女2人、温泉探索に乗り出しました。

謎の建物の正体

レイナ: あら、このカンバン…
ヴァル: 派手な看板ですねぇ
通路に、ひときわ目を引くネオンサインがあった。そしてそこにはこう書かれていた。
看板: 「ようこそラグオルハワイアンセンターへ」
は、はわいあんせんたあ?? なんだそりゃ。
ヴァル: 内容はよくわからないけど、なんだか楽しそうな雰囲気ですね
レイナ: 「様々な温泉をとりそろえております」だってさ。なんだかわかんないけど温泉あるのね!
キョウカ: それはよかったですね
レイナ: 行きましょう!
すまん、俺は今、混乱の極みにいる。まったく何がなんだか分かっていない。そもそも「ハワイアン」ってなんだ?
ヴァル: 人の名前でしょうか...? 「ハワイ・アン」さん?
コアン: あ、そうかもなぁ。自分の名前、つけたがるしな、経営者ってのぁ
とはいっても、だれじゃそりゃ。聞いたこともねえぞ。
キョウカ: では、今度はレイナセンターに変わるのですか?
レイナ: レイナセンターじゃいまいちね…。何がいいかしら…。うふふ
レイナ、ここを自分のモンにするつもりかよ。
レイナ: ま、まずはここの規模を見てからね
キョウカ: ゆっくり考えましょう
ヴァル: 夢が膨らみますです
キョウカ: 私たち、お客の一号ですね、きっと…
レイナ: 完成したら招待させてもらうわよ
キョウカ: 是非、お願いします
ヴァル: よろしくです!
おいおい、もう勝手に自分のものになってるぞ、これは。まいったね。思い込んだら止まらないタチだしなぁ…。ま、俺はもうこんなトコには用はないしいいんだけどよ。…でも、もし呼ばれたらどうしよ?使用人並みにこき使われるのが目に見えるようだ。

レイナは勝手に夢を膨らませ(ているように俺には見えた)て、意気揚々と廊下を歩いていく。通路から中に入ると、今までにもあったような荒れ果てた部屋だった。徹底的に破壊された室内には得体の知れない動物が巣喰っている。ま、こいつらは俺達の敵じゃねえけどな。
キョウカ: ここから、湯気、出てますよ
キョウカが指差したのは、天井の大きな排気ダクトだ。確かに湯気のような白いものが出ている。
レイナ: 人工的に管理されてるのかしら?
コアン: 自動制御装置が生きてるんだろう
キョウカ: この向こうでしょうか
排気ダクトをたどっていくと、大きな扉に行き当たった。ダクトは壁を突き抜けて向こうへと延びている。俺は扉を押したり引いたりしてみた。びくともしない。体当りやこじあけで開くような代物でないことは、ちょっと触れば一目で分かる。よほど頑丈にロックされているのだろう。ここはあきらめて先に行こう。
レイナ: 人の手が入ってるってのが気に食わないけど、まあ、しかたないわね
ヴァル: 掘る手間が省けていいかもしれませんよ?
そうそう、これで満足してくれよ、レイナ。

開かない扉はあきらめて、俺達はもう一つの扉に向かった。こちらは自動ドアで、開けようとする前に既に開いていた。そこから中に入ると、そこはまた稲妻の走る妙な水槽だった。
ヴァル: あっ、またありました
キョウカ: また電気風呂ですねぇ
キョウカは風呂だと言い張るが、あんなの人が入れるもんじゃねえ。
レイナ: 入れないなら関係ないわ
キョウカ: 電気を止めたら入れるのでは?
ヴァル: 強さの調節ツマミ、ないですかね?
なるほど、この電気、弱くできるのかもなぁ。それなら入れるかもしれねえなあ。
キョウカ: ちゃんと男湯と女湯に分かれてますし…。これはやはりお風呂ですよ
レイナ: 3つあるけど…
ヴァル: 男湯、女湯、キャスト湯、でしょうか?
コアン: 壁で仕切られてねぇけど…
キョウカ: 露天風呂ではこういうのもあるって書いてますね
キョウカが何やら分厚い本を見ながらこう言った。なんだか怪しい本だなぁ。デタラメ書いてあるんじゃねえだろうな。信用できるのか?
キョウカ: 若者に人気のスポットだと書いてありますよ
レイナ: なになに…混浴…!? やあねえ、コアンのスケベ
俺は絶対に混浴なんてしねえからな。少なくともこのメンバーでは。何言われるか分かったもんじゃねえ。

とにかく、こうやって稲妻が出たり、湯気が出たり、まがりなりにも動いているってことは、どこかに制御装置があるわけだよな。もしかしたら、この電気も、その制御装置をいじれば止まるかもしれないぜ。
レイナ: 制御装置、近くにあると思うんだけど…。
とはいってもどこにあるかまったく手がかりはない。俺達はとにかく手当たり次第に進んだ。しかし、この部屋から先の道は、今までと大きく違うことがあった。モンスターは今までのように巣喰っていたが、それにも増して、スイッチやトラップが沢山仕掛けられていたのだ。
コアン: なんだか手がこんでるなぁ。
ヴァル: 防犯装置?
コアン: かもしんねぇ
ヴァル: となると、ここから先はスタッフルーム?
そうかもしれねぇ。部屋には、小型のドラゴンまでいやがった。番犬がわりか?とにかく、重要そうな所ではある。
ヴァル: きっと何かがあるですよ
きっと何かがある、そう言った矢先に何かがあった。それは、通路の脇の看板だった。
キョウカ: また看板ですよ
レイナ: 「制御室」だって
ヴァル: いよいよですね!
やっとこの仕事も終わりが見えてきたみたいだな。制御室を見つけてなんとかすれば、ようやく帰れるかな?
しかし、俺のかすかな期待は、謎の風呂の出現により、またまた崩れさったのだった。