湯けむり紀行・美女が行く洞窟秘湯めぐり

ラグオルの洞窟のどこかに、こんこんと沸き出る温泉があるらしい。なんでも、特に美肌に効果があるとか。そんな話を聞きつけてじっとしていられない美女2人、温泉探索に乗り出しました。

先約がいた

キョウカ: 温泉です!
キョウカがまた温泉を見つけた。しかし今度のはちと様子が違う。小部屋でなく大きな部屋の隅にそれはあった。そして、周囲には柵がめぐらせてあった。
キョウカ: だれかにとられてしまった?
ヴァル: 温泉目当てはあたしたちだけじゃなかったんですね
レイナ: 柵がじゃまねえ
なんてぇか、商魂たくましいこったな。ここまでするとは思わなかったぜ。それにしても、こんな物好きが他にもいるのか?

キョウカが脇に隠されたスイッチを発見して、押してみる。すると柵のスイッチが切れた。レイナは武器と荷物を柵の脇に整理して置くと、さっそくシールドを外し始めた。
コアン: っと、おい、ここでまたゆっくりつかるつもりじゃないだろうな?
キョウカ: そりゃあやっぱり吟味しませんと‥
レイナ: せっかくだからつかりましょう。さっきのとこと違うかもしれないし
ヴァル: はーい!
キョウカ: 今度はのぼせなくてすみそうですね
だあああ! 勘弁してくれよ、もう…。とほほ。 俺ぁあっちで待ってるから済んだら教えてくれよな。
キョウカ: 今度は入るペア変えましょうか?
おいおい、キョウカさん、今度は何を言い出すんだよ。
コアン: 俺ぁ遠慮しとく
もう温泉はたくさんだよ。

俺は部屋の扉の外に陣どって、いつものように銃の手入れを始めた。とはいっても、既に手入れは終わってるんだがな。することがないってのは案外つらいもんだ。おっと、あいつらの話し声がここまで聞こえてくる。女三人寄ればなんとやらって本当だなぁ。

キョウカ: こんなのも用意しました
レイナ: 水着?私も持ってくればよかったかな…
キョウカ: この観光ガイドに書いてあったんです。
ヴァル: わーい、わーい
キョウカ: こら、ヴァル、暴れるんじゃありません
ヴァル: は、はい、ごめんなさい

キョウカ: 落着きますねー
レイナ: きもちいい… ここは部屋が広くていいわね
キョウカ: なんだか遊びにきてるみたいですねー

ああ、イリスと来られればなぁ…。それにしても長ぇなぁ…。なんで女の子ってのぁ温泉が好きなんだろうな…
それにしても、声が止んじまったなぁ。あいつら大丈夫か?寝てんじゃないのか?
コアン: おーい、終ったかよ
レイナ: まだよー
キョウカ: このままずっといたいですねー
はあ、こっちまで眠くなってきたよ。立てかけた銃にもたれてウトウトと…

と、扉が開いて、ヴァルが出てきた。
ヴァル: なんで入らないですか?楽しいですよ?
コアン: 男には男の事情があるんだよ。もう済んだのか?
ヴァル: はい、そろそろ
コアン: で、もう行っても大丈夫なのか?
ヴァル: ちょっと見てきますね………もういいですよ
扉の中をちょっと覗いたヴァルがこう言った。やっと終わったか。さてと。俺はゆっくりと立ち上がって扉をくぐった。

中ではいつもの一行の姿が。ただ、濡れた髪の毛と上気した顔を除いては。
レイナ: やっぱりもっと広いほうがいいわねー
ヴァル: まだまだ広いとこ、ですか?
キョウカ: 上には上があると言いますし
レイナ: ここもさっきのとことあんまり変わらないしねぇ
キョウカ: ここ、そういえばだれかが先に見つけたところですよ
レイナ: そうね…
俺が部屋に入ると、皆がこっちを見た。
レイナ: コアンは入らなくていいの?
コアン: あー、俺はまたこの次でいいよ
レイナ: もったいない…
ヴァル: じゃ、この次は入るですか?
コアン: …気が向いたら…。まだ探すつもりなんだろ?
レイナ: もちろんよ。広いところ見つけるまでね
ヴァル: 今度こそコアンさんにも楽しんでもらうです
ああ、温泉なんてもう見つからなけりゃいいんだがなぁ…

俺達は探索を再開した。洞窟には巨大な虫や化物がウジャウジャいるが、そんな奴らは俺の敵じゃねえ。レイナもキョウカも、いつもとは気合いが違っている。特にキョウカ、あいつ、虫は苦手だったはずなんだが…。温泉で人はこうも変わるものかねえ。

洞窟の奥にはまたゲートが。さて、次はどうなっているんだろうか。
キョウカ: さあ、第三の秘湯へ!