Phantasy Star Onlineでロールプレイをしよう(上級編)

一通りロールプレイができるようになったあなた、さらに上を目指すことを一緒に考えてみましょう。

良いキャラと悪いキャラ

さて、ここでは「良いキャラ」と「悪いキャラ」について考えたいと思う。ここ で言いたいのは、「設定さえしっかりしていればどんなキャラを作ってもいいと いう訳ではない」ということである。

もちろん、どんなキャラを使おうとプレイヤーの勝手だ。しかし、人々に好印象 を与え、また一緒に冒険したいと思わせるような「良いキャラ」を作るには一定 の作法がある。せっかくあるものを利用しない手はない。

「型にはまったキャラをやるのはごめんだ」という意見もあると思う。し かし、型にはまらない良いキャラを作るのはとてもとても難しいことである。 型にはまらない悪いキャラを作るより、型にはまった良いキャラを作った方がよ いと私は考える。まず「型にはまった良いキャラ」を存分にやり、その後でステッ プアップしようではないか。

良いキャラのための条件

大昔から延々と「良いキャラを作るための条件」を考えてきた人々がいる。それ は小説家だ。「小説の書き方」という類いの本には必ず、主人公の性格について 1つの章(あるいはそれ以上)を設けて、「主人公はこういう性格のこうした人物 にせよ」ということが書いてある。PSOのキャラ作りもそれに見習うべきである。

小説作法では、主人公の性格について、たいてい以下のようなことが書いてある。

正義の人でなくてはならない
善悪の区別がつけられ、正しい行いをしなくてはならない。職業が泥棒であっ てもいいが、裕福な人からしか盗まないとか殺しはしないとか、一般的にも ある程度認められる正義感を持たなくてはならない。
勇気があり有能でなくてはならない
「有能」というのは、なにも武器がうまく扱えるとか強い魔法が使えるとい うことではない。困難に対して敢然と立ち向かい、最後には逆境を克服できる 力が必要である。
弱点がなくてはならない
完全無欠のヒーローは好まれない。リアリティがないからだ。何か一つは弱 点を持っているべきだ。ただ、それは社会的道徳に背き、人に害を与えるもの であってはならない。些細なことでいい。心理的、人間的な側面での弱点 であることが望ましい。こうした人に読者は魅かれる。
向上心がなくてはならない
自分を良くしようと常に思う心掛けが大事である。そこに人々は共感を覚え るのだ。

「こんなワンパターンで紋切型のキャラじゃつまらない」という人もいるかもし れないが、一般の小説や映画、ドラマの主人公をいくつか思い出して考えてほし い。おそらく9割は上のパターンに当てはまっているのではないだろうか。そ れらはすべてワンパターンだろうか?

悪いキャラのための条件その1: 戦闘のみに生きる

「悪いキャラの条件」なんて章は設けたくないが、マンガ、アニメやゲーム(特 にコンピュータRPG)ばかりで育った世代が作ってしまいがちな「悪いキャラ」の 典型例を挙げる。こうした人にははっきりと言おう。特定ジャンルだけでなく、 広く世の中の良質なエンターテイメントを見よ、と。

そうした人にありがちな設定の一つが、「戦うために生きている」という設定で ある。「日夜復讐のことしか考えない」「剣に人生のすべてを捧げた」という設 定も同様である。ファンタジー小説ではありがちな設定だ。

こうした設定自体私はあまり好きではないが、もっと問題なのは、こうした設定 だけを借りてきてしまったキャラである。小説家はやはりプロなので、「戦い に全てを捧げた」とは言ってもロマンスや人間の内面の葛藤などをちゃんと描い ているのである。こうした小説家の配慮に気づかず、設定だけを借りてきて しまうと、薄っぺらで内面のないキャラになってしまう。

例えば典型的な会話はこうだ。


Zil: 「ねぇ、この帽子のボンボン、かわいいと思わない?」 RT-120: 「俺は戦闘のために作られたロボットだ。戦 闘以外のことに興味はない」 Zil: 「ふぅん、そうなの。」 ... Zil: 「さあ、ボスの前についたわ。準備はいい? 街へ戻る?」 RT-120: 「準備はOKだ。街へは戻る必要はない。」 Zil: 「そう、それじゃ行くわよ。シフタとデバンド かけてあげるね」 RT-120: 「OK」


このプレイで困っている人、それはもう一人のキャラであるZilだ。何を言って も直接の答え以外の反応がなく、話を続けることができないからだ。いきおい、 戦闘に関する会話だけになってしまう。RT-120をやっているプレイヤーは「俺は 自分のキャラを正しくプレイしている、最高のロールプレイヤーだ」と思ってい ても、Zilをやっているプレイヤーはつまらなく感じているはずだ。これはプレ イの仕方が悪いのではなく、キャラが悪いのである。

やはり、人間は「人との和と自己の心の向上」を第一に目指してほしいものであ る。そうそう、勘違いしないでほしいが、「宮本武蔵」は上で言っている「戦闘 のみ」キャラではないからね。「戦いを通じて己の心を磨く」というスタンスは 良いキャラとして十分成立する。しかし、その場合、うわついた会話ではなく、 どっしりと重い発言が望まれる。ちょっと難しいが、うまく出来ればかっこいい キャラになる。

悪いキャラのための条件その2: 重大なマイナス面を直そうとしない

以前、「良いキャラのための条件」で、「弱点を持つべきだ」というのを挙げた。 弱点というのは、リアリティーを持たせる上では重要なものだ。しかし、これは 両刃の剣で、度を過ぎれば単なる迷惑な人になってしまう。

キャラ設定に溺れる人は、何につけても派手で重大な特徴を付けたがる。キャラ の弱点についてもそうだ。そして、その弱点が「神」とか「魔法」とか「出生」 に関係していて、自分の内面から出たものでないことが多い。キャラ設定の章で 述べたキャラ「サキ」にもこの片鱗が見てとれる。

前述の「サキ」が他の仲間と戦闘に出たとき、おそらくこんなトラブルが 遅かれ早かれ噴出するだろう。


Sara: 「うわぁ、すごい数の敵だわ」 Saki: 「戦闘神ポラリスよ、我に加護を!」 (といっ て敵の集団に突っこむ) (Saki、瀕死の重症を負う。Saraはレスタをかけてあ げる) (Saki、敵に囲まれて死ぬ。Saraはムーンアトマイザー を使う) Sara: 「ふぅ、物凄い攻撃だったわ。」(といってレ スタをかける) (次の部屋で) Saki: 「戦闘神ポラリスよ、我に加護を!」 (といっ て敵の集団に突っこむ) (Saki、敵に囲まれて死ぬ。Saraはムーンアトマイザー を使う) Sara: 「ちょっと無茶よ。もう少しやりかたを考えた ら?」 Saki: 「私は神との誓いによって退くことを禁じられ ている。前に敵がいたら突撃あるのみだ。」 Sara: 「それでも死んじゃったら元も子もないじゃな いの」 Saki: 「これは神との契約だ。曲げることはできない。 この誓いを破った時は私の死が待っている」 Sara: 「困った人ね。もう、勝手にしなさいよ」


おそらくSakiのプレイヤーは「かっこいい! 正しいロールプレイだ」と自画自賛 し、Saraのプレイヤーは「困った人と組んじゃった」と思っているに違いない。

上のプレイで一番問題なのは何だろうか。それは、サキに「学習能力がない」こ とである。サキは設定に忠実に同じことを繰り返していて反省がない、それが問 題なのだ。何度言っても反省しない人ほど嫌なものはない。サキは最初に死んだ 時になにかを学ばなかったのだろうか? 本当にそれでいいと思っているのだろう か?

そして問題を深くしているのが、そもそもの原因が「神との契約」によるもので あるという事実である。「退却しない」というのが単に個人の信条だったら変え なさいと言えばすむ。しかし、「神との契約」を振りかざされると、それを止め なさいとはなかなか言えないものだ。 つまり、サキの悪いキャラ設定によって、この問題は解決不能になってしまって いるのだ。もうどうしようもない。手遅れである。

悪いことは言わない。キャラに戦闘に関わる重大な弱点をつけるべきではない。 弱点なんて「計算が苦手」とか「しゃべりをたまにトチる」とか、そんな些細な ことでいいのだ。キャラの弱点は、前にも述べたように、リアリティを高め人間 としての親しみを持たせるためにつけるものなのだ。人間の内面や心理に関わる ものにすべきである。

もし重大な弱点を設定した場合は、プレイ中で必ず「直す」ようにしよう。例え ば上の例では神への信仰を捨てるという選択である。これ はまたドラマチックでよいプレイである。ただし、同じ手は二度と使えないが。 とにかく、不幸にしてそんな設定を作ってしまった場合は、なんとか修正するて だてを考えよう。例えば、こんなこともできる。


Saki: 「前に出ても死、退却しても死。どうすればい いんだろう?」 Sara: 「そもそも前に出すぎなのよ」 Saki: 「そうか、銃なら前に出なくても戦える。よし、 そうしよう」 Sara: 「(笑)」


結論: 身近な人として考えよう

これまで色々述べてきたが、良いキャラの判断基準は難しくはない。要するに、 「かっこよくて、自分が付き合ってみたいと思うような人」を作ればいいのだ。

そのためには、「こんな人がもし自分の友達にいたらどうだろうか」と想像する ことが必要である。そのためには、キャラの人格描写が不可欠なのである。もし、 そのキャラが自分の友人として身近に暮していることを想像できなかったらそれ はキャラ設定の不足だし、「こんな奴とは付き合いたくないなぁ」と思ったらそ れはキャラそのものが悪いのである。

キャラの性格設定がうまく出来ない人に対する私のお勧めは、「ごく普通の人を 作る」ということである。「普通の人」はリアリティもあるし、特に嫌悪感を催 すような悪い人もいないし、設定もしやすい。その上で、趣味や人生観を付け加 えていけばよいのだ。性格設定ではあくまで現代人をベースとするのがよい。キャ ラ設定は派手である必要は全然ないのだ。