ネット世代の心の闇を探る

現代社会の様々な特性が、若者の心をむしばんでいる。

本ページは、Iwatamの何でもコラムで断片的に書いてきた内容を整理し、ひとまとまりの文書として表現するものです。この文書は書きかけであり、内容は随時追加改稿していきます。追加中は至るところにリンク切れがありますが、ご容赦ください。


はじめに

ここでは、現代に生きる人々(特に若い人々)に起きがちな、ある種の傾向につ いて見ていくことにする。あまり望ましいものではないから、あえて「心の闇」 と呼ぶことにする。

特にインターネット上には、妙な発言、どうも何かが根本的にずれている発言 が散見される。こうした発言をする人のことは、「オタク」とか「ネット右翼」 とか「ゆとり世代」などと呼ばれるが、ここではこういう人達のことに対して 「ネット世代」と仮に名前を付けて、特徴や共通点を探っていくことにする。

「ネット世代」と名付けたのは、「インターネットにどっぷり漬かっている」 というような意味で名付けたのではない。現代人は、インターネットに限らず 様々な情報ネットワークに囲まれている。単にインターネットが悪いという結 論ではないということ、インターネットだけが関係する問題ではないことをま ずご理解いただきたい。

「ネット世代」と「テレビ世代」

「ネット世代」とは何か。ここでは「ネットのある生活が当たり前だと思って いる世代」といった感じでとらえてもらいたい。

「ネット世代」の前にあるのは、「テレビ世代」あたりだろう。テレビをよく 見るのが「テレビ世代」なのではない。おじいちゃんおばあちゃんは一日中テ レビの前に座っていたりするが、それでも「テレビ世代」ではない。逆に、テ レビを見る時間自体は少なくても、テレビのない生活を実感できない人や、テ レビがもたらす様々な影響力のない世界を想像できない人は、テレビ世代なの である。「テレビ世代」とは、テレビの影響が生活の隅々にまで入り込んでし まっている人のことだ。同様に、「ネット世代」とは、ネットの影響が生活の 隅々、もっと言えば人格の構築段階にまで影響を与えていている人のことだ。

ネット世代の話には、テレビ世代の話も重複して出てくる。上のように定義を すると、ネット世代はすべてテレビ世代だからだ。

構成

本ページは、ネットが一般化した現代社会と、それによって引き起こされる数々 の現象を、テーマごとに見ていくことにする。

テーマとして挙げると、昔からよく言われている、たいして新しくもないテー マが並んでいるように見える。しかし、これらのことが「こんな風になってき ているんだぞ!」と声高に叫ばれていた時代から、「こんな風であるのが当た り前」な時代になってきていることに、我々は着目すべきである。

社会の変化

社会的な観点から見て、ここでは3本の軸を設定したい。

規格化と画一化
規格化によって多様性がなくなり、世界が単純化されてしまう。

現実の虚構化
現実と虚構の区別がつかなくなり、やがて虚構であることが当たり前になってしまう。

消費社会
消費者という立場で、外から一方的にものを受け入れることが当たり前になってしまう。

心理の変化

こうした社会変化は、心理的な影響をネット世代に与えている。もちろん、こ うした変化はネット世代だけでなく、それより上の世代にも影響を与えている。 しかし、今の社会以外を知らない下の世代ほど、こうした影響は濃く出てくる。

価値観の喪失
絶対的なものや根本的なものを受け入れることができなくなる。

自己中心性
自己を中心において、自分との関係でものを考えてしまう。そのせいで、客観 的にものごとを考えられなくなってしまう。

規格化と記号化
パターンにはまった思考しかできなくなり、そのパターンから外れることを恐 れるようになる。

キーワード一覧

内容一覧

目次

  1. ネット世代の心の闇を探る:分析編
  2. 中二病とは何か
  3. 同人
  4. 現実
  5. 自己中心性
  6. 価値観の喪失
  7. 規格化と記号化
  8. 規格化・画一化
  9. 現実の虚構化
  10. 大量消費社会
  11. 思考の記号化
  12. 客観性
  13. 現実と虚構の区別
  14. 萌えとは何か
  15. 矛盾
  16. セカイ系とは何か
  17. 承認を求める
  18. 現実を追い越した虚構
  19. ネット右翼とは何か
  20. 善悪の判断がつかないということ