経営の本の嫌な感じ

他人の力を信じようとせず、逆にだまして儲けようという風潮について。

本屋さんでいろんな本を眺めていると、平積みになっている本のタイトルが嫌でも目につきます。面白そうに思うのもあるけれど、首をかしげたくなるタイトルもあります。

よくあるタイプでなんだか嫌な気持ちになるのが、「100円のものを1000円で売る方法」みたいなタイトルです。読む方としては何が書いてあるのかちょっとは気になるけど、そんな本を読んでる人がやってる店には行きたくないよなぁ。100円のものを1000円で売りつけられたらたまったもんじゃない。


最近いろんなニュースを見ていると、他人への信頼が揺らいでいるような気がするのです。はっきり言うと、他人をバカだと思っていて、お客が細かいところまで見ないことを想定した複雑な料金体系や、最初はタダにしておいてお客が解約を忘れるのを狙っているとか、悪事の限りを尽くしています。

この前TSUTAYAのカードを更新したときも、普通のTカードを更新しようとしたら、「クレジット機能付きなら初年度年会費無料でお得です」と言われました。もちろん、翌年度以降はちゃんと年会費を取られることになるのでしょう。大手ですらこんな人を騙すような案内を平気でするようになってしまいました。

その根底にあるのは、お店のマニュアル化なのかもしれません。昔だったらクレームは経営者が自分で受けなくてはなりませんでしたが、今はクレームはバイトが受けるだけで、しかもバイトは言われたこと以外は何もできないので、結局お客は何もできないまま屈服しなくてはならなくなってしまいます。

本屋さんに平積みになっている本の中にも、相手を錯覚させて自分は得をしよう、みたいな本が結構あります。そんな本が堂々と売られていることが、なんだか嫌な感じなのです。


公的機関の発表などでよく「変に数字だけが一人歩きすると困るから公表しない」というような話を聞きますが、これも他人への信頼が揺らいでいることの表れです。受け手を信頼せず、受け手に理解力がないことを仮定しています。逆に、報道はというと「私たちのような一般庶民にも分かるように説明してほしい」と言います。これもまた一般庶民は普通の説明の仕方じゃ分からないんだとバカにしています。

しかし残念ながら、これは一概に否定もできません。ネットには実際に怪しげな情報を一人歩きさせる人たちがうようよいますし、理解しようともせずに「理解できないのは説明する側の問題」と言い切ってしまう人たちもいます。こういう人たちは、単純だけれど間違っている説明を喜んで受け入れてしまいます。

本当の問題は、こういう人たちがいることではありません。こういう人たちがいるくらいで揺らいでしまうのが本当の問題です。世の中にはきっとまともな人の方が多い、という自信をなくしていることこそ、こうした問題がはびこる原因なのではないかと思います。